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心象風景

503号 「離任式」

2013/3/27

13-03-W06 2013年3月第6週号

3月27日(火) 午前10時 離任式。

お別れのことばを述べます。

(ことばの全文を掲載します)

# 5251 「屋上望雲桜」

歸 去 來 辭 (帰去来の辞) 

歸 去 來 兮 (帰りなん いざ)

田 園 將 蕪 胡 不 歸 (田園将に蕪れなんとす なんぞ帰らざる)

既 自 以 心 爲 形 役 (既に自ら心を以て 形 役と為す)

奚 惆 悵 而 獨 悲    (なんぞ 惆悵として 独り 悲しまん)

春 望

国 破 山 河 在 (国破れて 山河在り)

城 春 草 木 深 (城春にして 草木深し)

感 時 花 濺 涙 (時に感じては 花は涙をそそぎ)

恨 別 鳥 驚 心 (別れを恨んでは 鳥は 心を驚かす)


放射線 拡散三月 (放射線は三月に拡散し)

家 書 抵 万 金 (家書 万金に抵たる)

白 頭 掻 更 短 (白頭掻けば更に短く)

渾 欲 不 勝 簪 (渾て簪に勝へざらんと欲す)



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# 5253 「わが心象風景 アンリ カルティエ ブロッソンの写真から」

年 々 歳 々 花 相 似 (年々歳々 花 相似たり)

歳 々 年 々 人 不 同 (歳々年々 人 同じからず)



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# 5252 「雲桜」

月日は百代のごとし。

予もいづれの年よりか 片雲の風にさそはれて 漂白の思ひやまず、

つれづれなるままに 日暮らし こころにうつりゆく、

春はあげの 夏は夜 秋は夕暮れ 冬はつとめて と

そこはかとなく かきつくれば、ゆく川の流れは絶えず、

よどみに浮かぶうたかたも かつ消え、かつ結びて

久しくとどまりたる ためしなし



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# 5254 「新しき旅へ」


いづれの御時にか 女御更衣

あまたさぶらひたまひける中に

祇園精舎の鐘の音は 枕を欹てて聞き 

桜ヶ丘の桜は すだれを掲げて観る

つひに行く 道とは予て聞きしかど 

色は匂へと 散りぬるを 我か世 誰そ常ならむ

有為の奥山 今日 越ゑて 浅き夢見し 酔いもせす

男もすなるぶろぐといふものを 老爺もしてみんとてすなり


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# 5255 「さくらばな 岡本かの子歌集から」

さくらばな いのち一杯咲くからに 

生命をかけて わが眺めたり

新しき 年の初めの 春弥生 今日咲く 花の いや 重(し)け 吉事(よごと)と祈りをり

去年今年 貫く棒のごときもの もて


春風や 闘志抱きて 丘にたて とねがひをり



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# 5256 「いざ さらば」

風立ちぬ いざ 生きめやも

いざ さらば


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# 5250 「散る花びらも何にかはせん」

式の終了後、私たち、離転任者一同は 生徒代表の役員から花束をいただきました。

そのお礼のことばを述べる羽目になりました。

「ありがとう。いまは、離転任する先生から、おわかれの挨拶をいただきました。

わたしはあなたたちからも、おわかれのことばをいただきたいと思いますが、それはかないことですね。

あなたたちの、その思いは、この花束に託されているのでしょう。

花たちは何も語ってくれませんが、わたしたちはしっかりとこの胸に、美しい花束をいただきました。

『語らずも 心の中に 咲きをれば 散る花びらも 何にかはせん』

この感激をいただいてお別れします。どうもありがとうございました。」と述べて、壇上を降りました。

式後、何名かの生徒がお別れに来ました。

花束にカードが添えられたり、小さなお菓子もありました。今年の卒業生もおりました。

この写真の大きな花束は顧問をしていた「放送局」員からのものです。

「こんなに、大きな花を用意して、無駄遣いしてはいかん。」うれしさを隠して、お小言です。

今年の卒業した局員はそれぞれ希望の国立、私立、専門学校へと進学もかなえました。

明日から、彼女たちも新しい生活を始めます。「幸くとばかり」祈ります。

いただいた花束を床の間に活けて、しばし懐旧。


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by yunodake | 2013-03-27 19:11 | 山麓歳時記


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